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追突事故でのケガ、慰謝料額はどう決まる? 受け取るまでの流れなどを弁護士が解説

2020年01月09日
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追突事故でのケガ、慰謝料額はどう決まる? 受け取るまでの流れなどを弁護士が解説

平成30年3月、石川県小松市内にある県道の交差点で、赤信号のため停車していた車の後ろから別の車が追突する事故がありました。このはずみで追突された車が前に押し出され、前方や左側に停車していた車に追突。合計4台を巻き込む事故となり、4人が重軽傷を負っています。

このように、追突事故でケガをした場合には、諸々の賠償(治療費・休業損害・慰謝料等)を受け取ることができますが、その中でもご自身の手元に入るお金として大きな割合を占めるのが慰謝料です。では、その金額はどのように決まるのでしょうか?また、事故発生から慰謝料を受け取るまでの流れについてもあわせて解説します。

1、追突事故で受け取ることのできる慰謝料とは

追突事故に遭ったときに受け取ることのできる慰謝料には、傷害慰謝料(入通院慰謝料)・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があります。それぞれどのようなタイプの慰謝料なのでしょうか。

  1. (1)傷害慰謝料(入通院慰謝料)

    傷害慰謝料とは、交通事故によるケガで入院・通院をする必要が生じたときに受け取ることのできる慰謝料のことで、その性質から「入通院慰謝料」とも呼ばれます。傷害慰謝料の金額は、一般的に入院・通院した日数及び入院・通院してから治療終了までの期間で算定します。

  2. (2)後遺障害慰謝料

    後遺障害慰謝料とは、追突事故によるケガに起因する麻痺やしびれ、関節の曲がりの悪さ、骨の変形等が残ってしまったときに受け取ることができるものです。ほかにも、失明したとき、手足などが失われたとき、言語機能や神経機能に障害が残ったとき、顔や手足など露出の多い部分に大きな傷跡が残ったときなどにも受け取ることができます。

  3. (3)死亡慰謝料

    死亡慰謝料とは、交通事故で被害者が亡くなった時に支払われるものです。本来、慰謝料は被害者本人が請求して支払いを受けるものですが、死亡慰謝料については請求権を遺族(法定相続人)が相続することで被害者の代わりに請求することになっています。

2、慰謝料を算出する際に問われる過失割合

慰謝料を算出する際に問題となるのが過失割合です。過失割合とは、加害者・被害者双方が事故に対してどれくらい責任があるのかを定めた割合のことです。追突事故の場合、被害者側の過失割合は0になることが多いのですが、過失割合の有無によっては、慰謝料を減額されることもあります。

  1. (1)被害者の過失割合が0になるケース

    一般的に、追突事故は加害者の前方不注意や車間距離の不保持といった一方的な過失により発生するものと考えられています。そのため、追突事故においては、圧倒的多数のケースで被害者の過失割合は0として処理されます。したがって、追突事故における過失割合は、被害者:加害者 = 0:100が原則であるといえます。

  2. (2)被害者の過失割合が0にならないケース

    ただし、例えば、「前方の車が特に合理的な理由なく急ブレーキを踏んだため、後続車を運転していた加害者がブレーキを踏んでも間に合わずに衝突してしまう」という事故もありえます。この場合は、被害者側にも過失があると考えられ、過失割合が被害者:加害者=30:70となることがあります。

  3. (3)過失割合が修正される場合がある

    過失割合は、追突事故の発生状況により、増減することがあります。たとえば、四輪車同士の事故の場合、以下のような要素があれば過失割合が加算もしくは減算されます。

    • 駐停車禁止の場所で追突された場合
    • 酒気帯びまたは酒酔い運転だった場合
    • 居眠り運転だった場合
    • 制限速度を超過していた場合
    • 後続車から見えにくい位置に停止していた場合
    • 夜間、ハザードランプを点滅させずに停止していた場合
    • ブレーキランプが故障していた場合
    • 住宅街や商店街等での事故の場合
  4. (4)過失割合が0なら自力で保険会社と交渉しなければならない

    過失割合を割り出した結果、被害者側が0となったときは、加害者に100%落ち度があるため、「払ってもらうだけで簡単だ」と思われるかもしれません。しかし、この場合、被害者側の保険会社は相手方に対して損害賠償金や慰謝料などを支払う必要がないため、被害者の代理人として加害者側と交渉することができず、被害者は自分自身で加害者側の保険会社と交渉をしなければならなくなります。

3、交通事故の慰謝料における3つの基準

追突事故のみならず、交通事故の慰謝料を算定する際には、以下の3つの基準があります。それぞれどのような基準なのかを見ていきましょう。ここでは、傷害慰謝料を例にあげて解説します。

  1. (1)自賠責保険基準(自賠責基準)

    自賠責保険基準とは、自賠責保険法に基づいた慰謝料の算定基準のことをいいます。自賠責保険基準では、傷害慰謝料の場合、日額を一律1日4200円と定め、実際に入通院した日数の2倍と治療期間の日数のどちらか少ない方を乗じて慰謝料が算出されます。

    過失割合が70%未満であれば過失割合による減額がなく、70%以上でも実際の過失割合より減額される割合が低くなるという点が自賠責保険の特色です。慰謝料の上限が120万円と決まっているため、休業損害などさまざまな要素を含めた損害金額が120万円以上であれば損害が補填しきれない点に注意が必要です。

  2. (2)任意保険基準

    任意保険基準とは、各保険会社が独自に定めた慰謝料の算出基準のことをいいます。保険会社によって慰謝料額が多少異なるものの、総じて自賠責保険基準を多少上回る程度であるといえるでしょう。

  3. (3)裁判所基準(弁護士基準)

    裁判所基準(弁護士基準)とは、過去の裁判例に基づいた慰謝料の算定基準のことをいいます。裁判所基準は弁護士が介入する事案のみに利用できるものであり、「赤い本」(「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」)や「青本」(「交通事故損害額算定基準」)と呼ばれる本に書かれた算定基準を利用します。

    この基準を使って算出した慰謝料額は、自賠責保険基準や任意保険基準よりも大きくなることが通常で、場合によっては2~3倍の金額となることもあるため、追突事故による慰謝料を請求する際には、弁護士に交渉を依頼し、裁判所基準(弁護士基準)で算定してもらうことをおすすめします。

4、追突事故から慰謝料を受け取るまでの流れ

上記のとおり、慰謝料は入通院を終えてからでないと算出できないため、追突事故が起きてから慰謝料が自分の手元に入ってくるまでには数ヶ月を要するのが通常です。慰謝料の支払いを受けるためにこの間にどのようなことをしなければならないのか、事故発生からの流れについて見ていきましょう。

  1. (1)病院で治療を受ける

    まずは事故後できるだけ早いタイミングで病院へ行き、診察・検査をしてもらったうえで診断を受け、治療を開始しましょう。治療を受ける場所としては、整形外科の他にも整骨院・接骨院という選択肢もありますが、最初はレントゲンやMRIでの検査が必要になることも多いため、必ず整形外科を受診するようにしましょう。

  2. (2)後遺障害が残った場合は後遺障害等級認定を申請する

    「身体機能に障害が残った」「目立つ場所にできた大きなアザが消えない」など、後遺障害が残った場合は、後遺障害等級認定を申請することができます。等級は症状の程度に応じて第1級から第14級までの14段階に分かれており、1級異なるだけで受け取れる金額に大きな差(場合によっては数百万~数千万円)が生まれるため、主治医に後遺障害診断書に具体的な症状を詳しく記載してもらい、提出することが何よりも大切です。

  3. (3)示談交渉を行う

    慰謝料を受け取るためには、加害者側の保険会社との示談交渉が必要です。示談交渉は治療が終了(治癒)もしくはそれ以上加療をしても症状が良くならない「症状固定」の状態になった後に開始します。

    示談がいったん成立してしまうと、あとから慰謝料を増額してもらうことはよほどの事情がない限り不可能になります。そのため、保険会社から提示される金額が本当に適正かどうか、慎重に見極めることが必要です。

  4. (4)保険会社からの振り込みを待つ

    保険会社から提示された金額に納得すれば、保険会社から示談書(「免責証書」というタイトルであることも多いでしょう)が送られてくるので、署名・押印して送り返します。その後、およそ2週間以内に指定した口座に示談金が振り込まれます。

    弁護士に交渉を依頼した場合は、いったん弁護士の口座に振り込まれ、そこから自分の口座に振り込まれるため、数日のタイムラグが発生します。

5、追突事故に遭ったときの5つのポイント

いざ追突事故に遭ったら・・・、気が動転してしまいなかなか冷静な判断ができなくなってしまう方も多いでしょう。しかし、自身の被害を適正に評価した金額の慰謝料を受け取るために、以下の4つのポイントに注意することが必要です。

  1. (1)警察を呼ぶ

    追突事故が発生したら、まずは警察を呼びます。被害者・加害者双方がケガをして動けない場合は、近くにいる人に助けを求め、代わりに110番通報をしてもらうようにしましょう。警察が発行する交通事故証明書がなければ、保険会社から保険金が下りない可能性もあるため、どんなに小さな事故であっても必ず警察に知らせるようにしましょう(そもそも、道路交通法において事故の発生を報告することが全ての運転者に義務づけられています)。

  2. (2)その場で示談をしない

    たいした事故じゃないといっても、後から身体の具合が悪くなったり、車の不具合が発生することも十分に考えられます。何かあったときに慰謝料や損害賠償を請求できなくなってしまうため、事故現場で加害者に示談を求められても応じないようにしましょう。相手方の連絡先を聞いて、車のナンバーも控えておきましょう。また、車の破損部位や周辺の風景も写真に撮っておくと、弁護士等に相談する場合に、役立つ可能性があります。

  3. (3)病院で診察・診断を受ける

    追突事故に遭った直後は、気が張っていたり興奮していたりして身体の痛みや不調を感じないこともあるかもしれません。しかし、帰宅後もしくは翌日以降に身体が痛くなったり体の具合に変調をきたすこともあります。症状の悪化を防ぐためにも、事故発生後なるべく時間を置かずに病院に行き、きちんと診察・診断を受けましょう。

  4. (4)弁護士に相談する

    追突事故を含め、交通事故に巻き込まれてしまったら、体調をみながら早めに弁護士に相談されることをおすすめします。弁護士であれば、加害者側の保険会社に対して裁判所基準(弁護士基準)で慰謝料を請求することが可能です。また、後遺障害等級申請を行うときも、弁護士がフォローアップすることでより適切な等級の認定を受けられる可能性も高まります。

    被害者側の過失割合がゼロの場合は、被害者が自力で経験豊富な保険会社を相手に慰謝料の交渉をしなければならず、保険会社の言うままに示談をする方も多くいますが、弁護士に代理人として代わりに請求してもらうことで、より有利な結果に導くこともできるでしょう。

6、まとめ

追突事故は、自分の力だけでは防ぐことができません。もし追突事故に遭ったときには、きちんと病院で治療を受けることが第一ですが、相手方の保険会社から適切な補償が受けられるようにすることもとても大切です。

ベリーベスト法律事務所 金沢オフィスでは、交通事故問題の経験豊富な弁護士が、お客様の代わりに裁判所基準で保険会社と交渉を行い、より高額な慰謝料を獲得できるよう尽力します。面倒なことは全て弁護士に任せていただき、お客様はじっくりと治療に専念いただくことが可能です。追突事故の慰謝料請求でお困りの際は、当事務所まで遠慮なくご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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