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共働きの夫婦が離婚する時に知っておきたい、財産分与の方法とは?

2019年01月18日
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共働きの夫婦が離婚する時に知っておきたい、財産分与の方法とは?

北陸地方は、全国でも共働き世帯の割合が高い地域です。総務省統計局の平成29年「就業構造基本調査」によると、中でも石川県は56.1%と高く、半分以上の家庭が共働きということになります。

夫婦が離婚する場合、親権や子どもの養育費、慰謝料などのほか、財産分与についても決めることになるでしょう。
夫婦共に収入がある場合、分与の割合はどうやって決めればいいのでしょうか?

今回は共働き夫婦が離婚する際に直面する財産分与の問題について、金沢オフィスの弁護士が詳しく解説します。

1、財産分与とは?

財産分与とは、夫婦が結婚期間中に協力して築いた財産を分けあうことです。
「お金持ちではないので、分けるほどの財産はない」と思う方もいるかもしれませんが、一般的な家庭でも通常は財産分与の対象となる財産があると思われます。まずは基本的な内容をご説明します。

  1. (1)財産分与とは

    財産分与とは、結婚していた間に夫婦で協力して築いた財産を、離婚の際に分けあうことです。民法768条1項で「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」旨定められています。
    離婚前に既に別居していた場合は、夫婦の協力関係が終了した時点である別居時までに形成された財産が対象になります。

    財産分与には、夫婦が結婚期間中に協力して築いた財産の清算としての要素や、妻が専業主婦の場合など、離婚後に生活が不安定になる側に対して生活を助ける扶養としての要素、慰謝料としての要素等がありますが、このうち、中心となるのは清算的な要素です。

    なお、財産分与は、未成年の子どもの親権とは違い、離婚の際に絶対に決めなければいけないものではないため、実際に財産分与をしないケースもあります。

    また、慰謝料や養育費とは性格が異なるため基本的には分けて考えますが、実際には区別せずにまとめて請求されることもあります。

  2. (2)結婚期間が長くなるほど金額は増える傾向

    一般的には結婚していた期間が長ければ長いほど、夫婦が共同で築いた財産は増えます。
    そのため財産分与の金額も高くなる傾向があります。


    逆に結婚後1年未満での離婚など、期間が短い場合には分与できるものがほとんどないため、金額は少なくなりがちです。

  3. (3)離婚後にも請求できるが、期間に注意

    「離婚のときに財産分与を求めなかったが、やっぱり欲しい」ということもあるでしょう。

    財産分与は主に離婚の際に決められますが、離婚後に請求することも可能です。
    ただし請求できる期間は離婚後2年以内に限られています。

    財産分与を求める場合には、必ずこの期間内に行うようにしましょう。
    期間を過ぎてしまうと、家庭裁判所に財産分与の調停や審判を申し立てることはできなくなります。

    なお、2年を過ぎていたとしても、相手が任意に応じてくれれば分与を求めることはできますが、離婚後何年も経ってから分与を求めても、相手も「今さら」と応じてくれないことが多いでしょう。
    また財産が使われて大幅に減っている可能性もあるため、まずは離婚後2年以内に請求するように心がけましょう。

2、夫婦共働きの場合の財産分与の割合は?

近年、夫婦共働きの家庭が増えています。
中にはお互いの収入を別々に管理し、財布を全く別にしている家庭もあるでしょう。

財産分与では「多く稼いでいる方が、より多くもらう」と考えている方もいると思いますが、実際、収入額はどの程度影響するのでしょうか?

  1. (1)財産分与の割合は原則2分の1

    財産分与の割合は、原則として2分の1です。

    これは妻が専業主婦の場合でも、変わりません。
    稼いでいるのは夫だけであったとしても、妻は家事や育児、家計の管理などをしてそれを支えています。
    妻のサポート、「内助の功」があって仕事ができ、財産を形成できたと考えるのです。

    そのため妻に収入がなかったとしても、分与の割合は、原則2分の1となります。

    では夫または妻の不倫が原因で離婚する場合はどうでしょうか?
    不倫された側としては「離婚原因を作ったのは相手なんだから、財産を渡したくない!」という気持ちもあるでしょう。

    ですが財産分与は不倫とは別の問題であり、あくまで夫婦の財産を分ける手続です。
    そのため相手が同意しない限り、分与額ゼロというのは難しいでしょう。

    ただし不倫があった場合は慰謝料を請求できるため、財産分与の際に調整することで、実際に相手に渡る金額は少なくなる可能性があります。

  2. (2)共働きの場合、収入額と分与の割合は関係する?

    石川県では半分以上の家庭が共働きですが、共働きでも財産分与の割合は原則2分の1です。

    夫が正社員、妻がパートなど、夫婦で収入に差がある家庭も多いでしょう。
    ですがその場合でも、原則2分の1というのは変わりません。

    一方の収入が高かったとしても、相手は家事や育児を多めにするなど、収入が得られるように寄与していると考えられるためです。

    例外的に、医師やスポーツ選手等、一方が特殊な能力により高額な収入を得ていたような場合は、財産形成の寄与度に差があるとして割合が2分の1とならないこともありますが、収入額と財産分与の割合は、基本的には関係ありません。

  3. (3)共働きで別財布、生活費も折半の場合は?

    共働きでそれぞれが自分の収入を管理し、生活費は同等に出し合っているという家庭もあるでしょう。

    夫婦で全く財布を別にしている場合には、それぞれが別に財産を形成していると考えられなくもありません。
    そのため個人の預貯金は分与の対象にならない、という考え方もあります。

    ですが全ての支出や家事分担において平等で、全くお互い貢献がないというのはあまりないでしょう。
    そのため財布が別であったとしても、基本的には財産分与請求権があると考えましょう。

  4. (4)2分の1は絶対ではない

    分与の割合は2分の1が基本ですが、これは絶対ではありません。
    財産形成への貢献度によっては変動することもあります。

    たとえば妻が、財産の増加に大きく貢献した場合です。
    家業を継いだ夫があまり働かず、実際には主婦である妻がほとんどをやりくりして家業をまわしていた場合、妻の貢献度が高いため、2分の1以上を得られる可能性があります。

    また、共働きで夫婦同程度の収入を得ていながら、家事や育児の全般を妻が担っていた場合、妻の貢献度が高いとして割合を調整することも考えられます。

3、財産分与の対象となる財産・ならない財産

財産分与をする際、「自分名義の財産は自分のもの」と思い込んでいる人もいるかもしれませんが、そうではありません。
どの財産が分与の対象となるのか、またならないのか、具体的に確認していきましょう。

  1. (1)家や預金・貯金、退職金も対象

    分与の対象となるのは、夫婦が結婚期間中に共同で築いた財産です。
    不動産、預貯金、株式、車、家具・家電、保険解約返戻金、年金などが対象となります。

    退職金も対象となりますが、まだ支給されていない場合には金額の算定の仕方はケースバイケースとなることが多いようです。

  2. (2)夫・妻の名義は関係ない

    家や車はどちらかの一方の名義になっていることが多いでしょう。
    また預貯金はお互いの個人名義のはずです。

    ですが財産分与においては、どちらの名義であるかに関わらず、分与の対象となります。

  3. (3)ローンも分与の対象

    夫婦の財産は、プラスの財産だけとは限りません。
    住宅ローンや車のローンなど、マイナスの財産である債務もあるでしょう。

    夫婦生活のために築いた債務も、財産分与の対象です。
    分与の方法としてはプラスの財産からマイナスの財産を差し引き、残ったプラスの財産を分けるのが一般的です。
    もしそれでもマイナスになる場合には、通常、裁判や審判では、清算的財産分与の請求権は発生しないと考えられています。そのため、話し合いや調停等の協議で、負担割合をどうするか決めていくことになります。

    ただし夫がギャンブルでつくった借金などは、夫婦生活のために築いた債務と言えないので、あくまで個人の債務と扱われます。
    そのため財産分与の対象外です。

  4. (4)財産分与の対象とならない財産

    夫婦であるからといって、全てを分けなければいけないわけではありません。
    対象となるのはあくまで結婚後に、夫婦が協力して築いた財産です。

    以下のようなものはそれぞれ個人の財産と捉えられるため、対象外となります。

    • 結婚前のそれぞれの預貯金
    • 両親からの贈与
    • 親や兄弟から相続した財産
    • 結婚後に購入した場合であっても、衣服等、一方の専用品として使用されていた物

4、財産分与の具体的な方法は?

離婚を決意したら、財産分与についても早めに決めておくことが大事です。
では具体的にどのように進めていけばいいのでしょうか?注意点はあるのでしょうか?

  1. (1)話し合いや調停で決める

    財産分与は、まずは話し合いで決める方法があります。

    離婚の際は養育費や慰謝料など、色々と決めることがあります。
    それらと一緒に、財産分与についても話し合っておきましょう。


    どうしても離婚を急ぐ場合などは後から決めることもできますが、財産分与の請求期間が2年間であることは忘れないでください。

    もし話し合いで折り合いがつかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。
    調停でも合意できない場合には、審判に移行します。

  2. (2)決めた内容は公正証書や調停調書等に残す

    相手から受け取る財産分与は、一括払いにしてもらうのが一番望ましいといえます。

    ですが現金が足らないなど、どうしても一括払いが難しい場合には分割払いとし、決めた内容を、話し合いの場合は強制執行認諾文言付きの公正証書に、調停の場合は調停調書に残しておきましょう。

    後で「決めた・決めていない」の争いになることを防げるほか、相手からの支払いが滞った場合に、財産や給与の差し押さえなどの強制執行が可能となります。

  3. (3)財産隠しに注意!

    財産分与は相手が誠実に応じてくれれば、比較的スムーズに進みます。

    ですが中には相手に財産を渡したくないために財産を隠したり、勝手に使い込んでしまったりするケースもあります。
    それに気づかなければ、受け取ることができる財産分与の金額は少なくなってしまうでしょう。

    そういった不誠実な行為を防ぐためには、別居や離婚前に相手の財産状況をしっかりと把握しておくことが大事です。
    別居や離婚までに相手名義の預貯金通帳や保険の契約書のコピーをとっておくなど、相手が財産隠しできないように証拠を集めておきましょう。

  4. (4)トラブルになる前に弁護士に相談しよう

    財産分与は離婚の際に非常にもめやすい問題です。

    夫婦で収入に大きな差があったり専業主婦であったりする場合、原則2分の1という割合に納得できないこともあるでしょう。
    相手が財産を隠してしまうケースも少なくありません。

    できる限り納得して財産分与を進めるためには、早めに弁護士に相談するのがベストです。
    ご自分のケースではどのように財産分与をすべきかアドバイスを受けられるほか、調停や審判に発展してしまった場合にもしっかりとサポートしてもらえます。

5、まとめ

分与した財産は離婚後のお互いの生活の糧になります。そのため話し合いを後回しにしたりせず、きちんと決めておくことが大事です。

共働きの夫婦の場合、お互いの収入の差や家事・育児の負担割合などから、もめてしまうことがあります。
大きなトラブルに発展する前に、まずはベリーベスト法律事務所 金沢オフィスの弁護士にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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