【前編】専業主婦でも親権は獲得できる? 親権を得るための7つのポイントとは
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愛情をかけて大事に育ててきた我が子。離婚しても、子どもとは離れたくないと思う方も多いでしょう。
ですが、離婚した相手方もきっと同じように思うでしょう。その結果、親権の帰属を巡ってはトラブルになることが多いもの。中には解決までに長期間を要したケースもあります。
親権については、特に専業主婦の方は「自らの収入がないので、親権は取れないかもしれない」と不安に思われることも多いでしょう。確かに経済的に見れば不利かもしれませんが、親権の帰属はそれだけで決まるわけではありません。
では専業主婦の方が子どもの親権を持つためにはどうすれば良いのでしょうか?金沢オフィスの弁護士が詳しく解説します。
1、親権とは
夫婦に子どもがいる場合、離婚の際には「親権」をいずれの親が持つかは避けて通れない問題です。親権とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。
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(1)親権とは
親権とは、父母が未成年の子を養育保護するための権利義務のことです。
未成年の子どもは心身共に未熟なので、精神面や生活面で大人のサポートが必要です。そのため親には子どもを養い、教育していく法律上の責任があります。この責任を果たすために行使できる権限が「親権」です。 親権は夫婦が結婚している間は夫婦が共同で持っていますが(民法第818条第3項)、離婚するとどちらか一方が持つことになります(民法第819条)。
親権の内容は、大まかに見て次の2つです。- 身上監護権
- 財産管理権
身上監護権とは子どもを保護・監督し、教育したり生活の面倒をみたりすることです。 財産管理権とは子どもの財産を管理したり、必要な法律行為を子どもを代理して行ったりすることです。
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(2)親権の帰属を決めなければ離婚できない
夫婦が離婚する際に子どもの親権者が決まっていなければ、離婚後に子どもを守る人がいなくなってしまいます。
そのため、合意によって離婚する場合には、必ず父母の一方を親権者として決めなければいけません(民法第819条第1項)。
離婚届にも記入欄があり、それが空欄の場合には離婚届は受理されないでしょう。
裁判により離婚する場合には、離婚の判決とともに親権者についても裁判所が判断します(民法第819条第2項)。
2、専業主婦でも親権は獲得できる?
「専業主婦は親権獲得には不利」という話も世上聞かれますが、必ずしもそうではありません。親権の帰属を決める上では様々な考慮要素があり、実際には母親が親権を持つことが多いのです。
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(1)夫が同意すれば親権は母親に帰属する
親権の決め方には話し合い、調停、訴訟という3つの方法があります。
基本的にはまずは夫婦の話し合いで合意を目指し、折り合えなければ調停で解決を目指し、それでもなお決着がつかなければ裁判へと進むことになります。
裁判となった場合には、子どもの状況と夫婦それぞれの事情が考慮されて決定されることになりますが、話し合いならば、夫婦の合意で親権の帰属が決まります。
つまり専業主婦であっても、夫が納得してくれれば親権を獲得できるのです。
経済的な面から離婚後の子どもとの生活に不安もあるかもしれませんが、その場合には自分が働くこと以外に、相手から養育費を受け取ることも考えておきましょう。 -
(2)統計上は母親が親権者のケースが9割
平成29年度の司法統計によると、離婚調停・審判で離婚した2万588件のうち、母親が親権者となったケースは1万9160件、父親が親権者に決まったケースは1959件です。 つまり9割で、母親が親権者となっているのです。
これには母親が親権を強く望むことや、母親が子どもを連れて別居しているなど、様々な理由が考えられます。中には専業主婦もいるでしょう。 -
(3)「子どもの利益と福祉」が最優先
夫婦のみの話し合いで親権者が決められなかった場合には、離婚調停の場で話し合ったり、それでも決着がつかなければ裁判で決めることになります。その際には提出された証拠のほか、家庭裁判所の調査官が夫婦双方や子どもから話を聞き取ったり、家庭の状況を調べたりしてまとめた調査結果を踏まえて、判断されます。
判断で最も重要視されるのが「子どもの利益と福祉」です。親のためではなく、あくまで子どものためになるかどうかが、最優先事項なのです。
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