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裁量労働制・固定残業代との違いは?裁量労働制でも残業代請求する方法

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2018年05月24日
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裁量労働制・固定残業代との違いは?裁量労働制でも残業代請求する方法

国会の働き方改革などの報道を通じ、よりメジャーなキーワードとなった「裁量労働制」「固定残業代」。しかし、言葉そのものはよく耳にするようになったものの、具体的にどのような制度なのかということは、あまり知られていないかもしれません。

「自由な働き方だといわれて採用され、労働契約を結んだものの、自由に働けない」「ほぼ強制的な休日出勤や残業が多すぎてつらい……」という声も聞こえるようになりました。
そこで今回は、裁量労働制と固定残業代の違いや、裁量労働制でも残業代請求できるケースなどを弁護士が解説します。

1、そもそも裁量労働制とは?

「裁量労働制」とは、労働者が使用者(雇い主)と契約する労働形態の一種です。

一般的な労働形態では、出社時間や退社時間が決まっていて、働かなければならない時間が定められているものです。さらに、定められた労働時間を超えて働いたときは、超過した時間に応じて残業代が支払われます。

一方、裁量労働制は、一定の専門的・裁量的業務に従事する労働者について、労使協定において、実際の労働時間数にかかわらず、一定の労働時間数だけ労働したものとみなす制度です。裁量労働制においては、出社時間や退社時間の制限はありません。本来、裁量労働制は、効率的に仕事ができる人であればあるほど自由に働くことができ、労働者の実力が正当に評価されることを目指した制度でした。しかしながら、実労働時間が定められていないことから、この制度を曲解して採用する使用者も少なくないようです。その結果、裁量労働制として契約した労働者が不当な長時間労働を強いられてしまう……というケースがあります

使用者が裁量労働制を採用する場合は、労働基準法第第38条の3又は第38条の4に定められた要件を満たさなければなりません。「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」に分類される、成果と業績が労働時間では測れない特定の職種でなければ、裁量労働制を採用できないのです。

以下で具体的に説明します。

2、裁量労働制の対象となる職種は?

前述したとおり、裁量労働制を適用できる業務は、ごく一部に限られています。具体的には厚生労働省によって、「専門業務型」「企画業務型」の2種に分類されています。ここに該当しない業務については、裁量労働制を採用することはできません。

  1. (1)専門業務型裁量労働制

    業務の性質上、業務を行う手段や時間配分について、雇用者が具体的な指示を行うことが難しい業務が対象となり、具体的には、以下の19業務が該当します。

    1. 新商品・新技術、人文科学・自然科学に関する研究・開発業務
    2. 情報処理システムの分析または設計の業務
    3. 新聞・出版事業、TVやラジオなど放送番組制作における記事の取材や編集業務
    4. 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインを考案する業務
    5. 放送番組、映画等の制作のプロデューサー・ディレクターの業務(イベントのプロデューサーもこれに入る)
    6. コピーライター業務
    7. システムコンサルタント業務
    8. インテリアコーディネーターの業務
    9. ゲーム用ソフトウェア開発の業務
    10. 証券アナリストの業務
    11. 金融工学等を用いて行う金融商品開発業務
    12. 大学における教授研究の業務
    13. 公認会計士の業務
    14. 弁護士の業務
    15. 建築士(一級建築士、二級建築士および木造建築士)の業務
    16. 不動産鑑定士の業務
    17. 弁理士の業務
    18. 税理士の業務
    19. 中小企業診断士の業務


    さらに、専門業務型裁量労働制を採用する場合は、事業所の過半数労働組合もしくは過半数代表者との労使協定において、対象業務に該当する業務を特定した上、業務遂行の手段・時間配分の決定等に関して具体的な指示をしないことや、具体的に労働時間としてみなす時間、労働状況に応じて実施する健康・福祉の確保のための措置や苦情処理方法などを定めなければ、導入することはできません。

  2. (2)企画業務型裁量労働制

    企画業務型の場合は、事業の運営に関する企画、立案、調査、分析の業務であって、業務の性質上、業務を行う手段や時間配分について使用者が具体的な指示をしないこととする業務が適用対象です

    さらに、社内には「労使委員会」の設置が求められます。そして、労使委員会は、みなし労働時間数や対象労働者の健康及び福祉を確保するための措置や苦情処理手続など、企画業務型裁量労働制を実施するための条件を詳細に規定し、労使委員の5分の4以上の多数によって決議を行い、さらに、決議では、労働者本人の同意を得ることや、同意しなかったことを理由に不利益な取り扱いすべきでないことも定めなければなりません。これらの労使委員会の決議は、管轄の労働基準監督署に届け出なければならないことになっています。

    以上のように、企画業務型裁量労働制を採用する場合は、労働者が、企画業務型裁量労働制によって働くことを同意していることが必須となりますし、適用対象となる労働者は、3~5年程度の職務経験を持つ、該当業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する者であることが必要です。

    いわゆる営業企画などの職種では裁量労働制の適用はできないし、知らないうちに企画業務型裁量労働制になっていた、というケースは認められません。

3、裁量労働制と固定残業代の違いは?

  1. (1)固定残業代はどういう制度?

    固定残業代とは、所定の労働時間に加えて、一定時間の残業が発生することを前提として想定した使用者が、割増賃金の支払いに代えて一定額の手当てを支給する場合(手当型)や、あらかじめ月給に残業代を組み込んで労働者に支払う(組込型)という給与の支払い方法です。本来、使用者が固定残業代を規定する場合は、以下の項目を満たしていなければなりません。

    • 就業規則などで固定残業手当の規定を具体的に明記する。
    • 基本給の内訳に、固定残業代として何時間分の残業代を何円分含んでいるのかを明確に記載する(ほかの給与と固定残業代を明確に区別することが必要です)。
    • 実際の労働時間が就業規則などで定めた残業時間を越えなくても、固定残業代を支払う
    • 実際の労働時間が、固定残業代に含まれる時間数を超えたら、超過分の残業代を支払う


    なお、固定残業時間の上限が1か月45時間までに設定されていない場合は、労働基準法違反の疑いがあります。労働基準法36条第1項では、雇用者が労働者に、1日8時間、1週間に40時間を超えた時間外労働や、休日出勤をさせる場合は、書面による協定を締結することを求めているのです。いわゆる36協定(サブロク協定)と呼ばれるものです。これに違反した雇用者は「6ヶ月以下の懲役または30万以下の罰金」が課せられます。

    つまり、固定残業代が設定されていたとしても、労働者が労働契約上、固定残業代の支払がなされている残業時間を超えて残業したときは、雇用者は労働者に超過分の残業代を支払わなければなりません。その場合、当該超過勤務分についての残業代請求ができることになります(仮に上記の固定残業代の条件が満たされていなければ、固定残業代として支払われた金額も割増賃金の基礎賃金に算入した上で請求を行うことも可能な場合があります)。

  2. (2)裁量労働制と固定残業代はどう違う?

    一方、裁量労働制は、「1日に○時間、働いてください」という契約ではありません。時間管理も個人の裁量に任せる、という契約です。よって、固定残業代のみが定められた一般的な労働契約では勝手に遅刻や早退はできませんが、裁量労働制で契約している労働者には、そもそも遅刻や早退という概念がないということになります。

    「だとしたら、裁量労働制にはそもそも労働時間や残業という概念がないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、法律上では、あらかじめ「月に○時間は働いたとする」というように、労働時間数の定めが必要になります。また、休日は労働者の権利として確保されています。

    裁量労働制を採用している労働者が、みなし時間を超過するほど働いた場合や、休日出勤をした場合でも、雇用者は残業代や休日出勤手当を支払わなければなりません。

4、裁量労働制でも残業代は請求できるケースもある!

「残業の概念がない」と誤解されることもある裁量労働制ですが、前述したとおり、本来はみなし労働時間が設定された上で導入される性質の雇用契約制度です。つまり、いわゆる「定額働かせ放題」の制度ではありません。

会社に残業代などについて問い合わせても、会社によっては「裁量労働制による採用のため、残業代の支払い義務がない」と回答されてしまうことも多々あるでしょう。しかし、状況によっては超過した残業代や休日出勤手当などを請求できるケースもあります。

具体的に、どのようなケースが残業代を請求できるのか、そのためにどのような準備が必要となるのかをあらかじめを知っておくことをおすすめします。

  1. (1)そもそもあなたの仕事は、裁量労働制を採用できる業務ですか?

    もしあなたが、あなたの使用者から「裁量労働制での採用です」と言われていて、それに同意していたとしても、裁量労働制を選択できる業務は限られています。あなたの業務が法的に裁量労働制を導入できないというケースであれば、残業・休日出勤手当などの請求が可能となります。

    あなたが実際に携わっている業務は、「3、裁量労働制の対象となる職種は?」で説明した「専門業務型」か「企画業務型」で定められた職種に該当しているでしょうか? 改めて確認してみてください。

    たとえば、以下のケースに該当する場合などは、そもそも裁量労働制を導入することはできません。

    • 本社などからの指示を受けて工程管理のみを行っている事業場で働いている
    • 本社等から具体的な指示を受け、個別の営業活動を行う事業場で働いている


    このような場合は、そもそも使用者側の裁量労働制の主張が誤っているということになります。

  2. (2)労使協定や労使委員会の決議を確認してみよう

    使用者が裁量労働制を採用するために必要となる書類として、労使協定の締結や労使委員会の決議があります。社内に労使協定や労使委員会が設置されているか否かも確認しておきましょう。これらがない会社も、裁量労働制の採用が認められません。

    たとえば、労基法第38条の3および第38条の4の第1項によって、これらの書面で共通して明記することが求められている規定は以下のとおりです。

    • 対象業務
    • 1日のみなし労働時間
    • 労働契約の有効期間
    • 健康、福祉確保措置
    • 苦情処理措置


    社内にこれらの規定を明記した書類がない場合は、法律上の要件を満たしていないため、裁量労働制は無効となります。よって、実際に法廷の労働時間を超えて残業した労働時間分の手当てを請求できることになります。

  3. (3)時間外労働・深夜労働・休日労働の割増賃金は請求可能!

    もし、あなたが、法律上でも間違いなく裁量労働制を適用されていたとしても、時間外労働や深夜労働、休日労働に関する手当の請求が一切できないわけではありません。

    労使協定などをチェックするときに注目すべきは、1日のみなし労働時間です。労使協定や労使委員会の決議書内で定められている「みなし労働時間」よりも超過して労働していた事実があれば、雇用主はあなたに超過分の残業代を支払わなければなりません。

    また、午後10時から午前5時にも働かなければならなかったという事実があれば、深夜残業手当を請求できます。さらに、労働基準法によって、会社は労働者が週に1回は休日を取得させるよう義務付けられています。よって、たとえ裁量労働制によって働いていたとしても、休日返上で働かなければならなかったケースがあれば、あなたは会社に対して、休日出勤手当を請求することができます。

  4. (4)その他にも

    その他にも、裁量労働制と直接の関係があるわけではありませんが、企業側から、「年棒制だから」「あなたは管理監督者だから」という理由で残業代の支払いを拒否するケースもあるようです。しかし、年俸制であっても、状況によっては雇用主には残業代の支払い義務が発生しますし、そもそも管理監督者と法的に認められるためには様々な条件をクリアしていなければなりません。念のため状況を確認しておくとよいでしょう。

  5. (5)残業代を請求できるか相談したいときは

    弁護士は、残業問題から不当解雇の阻止など、労働問題に法律の側面から対応できます。未払い残業代の請求に関しても、交渉から裁判に至るまで対応可能です。

5、弁護士が手掛ける裁量労働制の残業代請求の手順・方法

そこで、残業代回収へ行動を起こすのであれば、弁護士に依頼することをおすすめします。ここでは、実際に残業代を回収するまでの手順をご紹介します。

  1. (1)超過残業時間、深夜労働、休日労働の証拠を集めよう

    残業代を請求する場合は、なによりも証拠が重要となります。そこで、まずは実際の労働条件や労働時間がわかる証拠を集めておく必要があります。具体的には、以下のものを用意しておくとよいでしょう。

    • タイムカード
    • 職場のアドレスから送受信されたメール履歴
    • 雇用契約書
    • 就業規則
    • 労使協定や労使委員会の議決書
    • 給与明細
    • 帰宅時に使用したタクシーの領収書
    • どのような業務のために残業していたかわかるもの
    • 残業指示を受けたときのメールや残業指示があるメモ、残業承諾書など
    • 日記などの備忘録(家族や親しい友人などへの報告、自分の業務用メールからあなた個人のメールアドレスへ退社時に残業内容などを含めて送信するなど)


    最近では、スマホのGPSを利用して、会社での滞在時間を記録するアプリなども登場しています。

  2. (2)証拠を手に、法律事務所に相談しよう

    集めておいた証拠は、初回の相談時に持参し、弁護士に確認してもらいましょう

    実際に請求できるかどうか不安な場合も、給与明細や契約書、タイムカードなどの物的証拠を基に、相談してみてください。残業代などの請求の可否について、おおよその判断ができることもあります。

  3. (3)内容証明郵便などを利用して交渉開始

    相談が終わり、依頼を受けた弁護士は、まずは内容証明郵便で相手方となる会社宛に残業代の請求を行うことが多いです。最初に起こすアクションとして、内容証明郵便を発送するのは、残業代などの時効の中断に関係する催告という効果があるためです。

    残業代の請求は法律的には未払賃金支払請求ですので、2年の経過で時効にかかることになります。そのため、先に内容証明郵便を送って催告を行った上で、6か月以内に裁判上の請求をすることで、時効が中断し、使用者が時効を主張することを防ぐ目的があります。

  4. (4)残業代の算定と証拠の開示請求をして和解を目指す

    残業代などの計算方法は、労働者の「1時間当たりの賃金」に「残業時間数」と「割増率」を乗じて計算していくことになります。

    速やかに算定するためにも、あらかじめ「(1)超過残業時間、深夜労働、休日労働の証拠を集めよう」でご紹介した書類や証拠を集めておくことはとても重要になります。もし、証拠となる資料がほとんどあなたの手元にない場合は、弁護士は相手方の企業にタイムカードや就業規則などの資料提出を求めることになります。

  5. (5)和解が成立しなければ訴訟へ

    算定した残業代などを基にして、弁護士は会社に対して、支払ってもらえるように交渉を行います。

    相手方との会社との交渉がまとまれば、弁護士があなたを代理して和解契約書(示談書)を締結し、残業代を回収します。今回の事件に関して発生した弁護士報酬は、回収した残業代から控除した上で、その残額をあなたに返金することになります。

    しかし、スムーズに交渉が進まない場合は、最終的には交渉の舞台を裁判所へ移し、訴訟を提起することが考えられます。

まとめ

今、話題となっている裁量労働制や、残業代などの請求について解説しました。自由な裁量を認められるとする「裁量労働制」ですが、その実情は会社側から絶え間なく仕事を割り振られ、断ることすらできないケースや、過労死に結びついてしまうほどの長時間労働を課せられてしまうケースもあります。また、企業側が裁量労働制そのものを勘違いしていて、法的には認められない状況であるにもかかわらず裁量労働制を導入しているケースも見られます。

不当な労働状態に悩んでいるのであれば、まずはあきらめずに、弁護士に相談してください。法律の専門家としての知識と経験に基づき、未払いの残業代などの請求もできる可能性があります。きっと、あなたの力になるはずです。

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