夫が痴漢容疑で逮捕された!夫はこれからどうなるの?家族が知っておきたい逮捕後の流れを金沢市の弁護士が解説

2018年07月19日
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夫が痴漢容疑で逮捕された!夫はこれからどうなるの?家族が知っておきたい逮捕後の流れを金沢市の弁護士が解説

日常的に電車やバスなどを利用して通勤していると、痴漢として疑われ、逮捕される可能性があります。ある日突然、夫が痴漢で逮捕されたという連絡を受けることもあるかもしれません。そんな連絡を受ければ誰でも、「夫はこれからどうなるのか」と心配になるのは当然といえるでしょう。

今回は、夫が痴漢で逮捕されたケースを想定し、妻として知っておきたい痴漢における逮捕後の流れをご説明します。それに加えて、起訴された場合はどのような刑罰になる可能性があるのか、また釈放されるためにはどのような対策がとれるのかなどもあわせてご説明します。

1、痴漢で逮捕されるとは

痴漢容疑で逮捕されたという場合、具体的な犯罪名としては、迷惑防止条例違反あるいは強制わいせつ罪として、逮捕されるということになります。

石川県迷惑行為等防止条例
(卑わいな行為等の禁止)
第3条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人に対し、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安若しくは嫌悪の情を催させるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
(略)
第16条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項(第三号を除く。)、第二項第一号又は第三項第一号の規定に違反した者
(略)

刑法
(強制わいせつ)
第176条 十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。(略)

石川県では条例違反が6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が法定刑であるのに対し、強制わいせつ罪は6ヶ月以上10年以下の懲役が法定刑とされており、強制わいせつ罪の方が重いことが分かります。

2、夫が痴漢で逮捕された場合の流れ

逮捕とは、被疑者の身体を拘束し、引き続き短時間の拘束を継続することです。
以下で、逮捕後の刑事手続きの流れをご説明します。

  1. (1)逮捕から検察官送致 48時間以内

    逮捕されると、48時間以内に警察は被疑者の身柄を検察に送るか、釈放するかを判断します。
    この期間は家族でも面会することができません。夫に直接会って事情を聞くことができないため、夫が事件を認めているか否かも分かりません。
    この48時間の間にも厳しい取り調べが行われることもあり、それに耐え切れなくなり、痴漢をしたと認めてしまうこともあります。

  2. (2)検察への送致後勾留請求がなされるまで 24時間以内

    検察への送致がなされ、検察が被疑者を受け取って24時間以内に検察官は勾留請求するかしないかを判断します。検察官は、釈放したら被害者と接触を図るなどして証拠を隠滅を図るおそれがあるとか、逃亡のおそれがあると判断した場合には、裁判所に勾留請求を行い、より長い期間にわたり被疑者の身柄を拘束を求めます。

  3. (3)勾留 原則10日最大20日

    勾留期間は原則として10日間ですが、さらに取り調べなどの捜査が必要だと検察官が勾留延長を請求し、裁判官もそのような判断をした場合は、さらに最大10日間の延長がなされる場合があります。つまり、夫は最大で20日間勾留される可能性があることになります。
    身柄拘束が続いている事件においては、検察官は、勾留期間内に、起訴するか(正式裁判、略式起訴)、不起訴にするかを決めます。
    ここで不起訴になる、または、略式起訴となれば釈放されますが、起訴になれば裁判を待つことになります。

  4. (4)起訴から裁判開始まで

    起訴されてから裁判が始まるまでは、約1ヶ月~2ヶ月かかります。この期間、被告人(起訴された人)は引き続き身柄を拘束されながら、裁判を待ちます。ただし、保釈が認められれば、身柄拘束が解かれた上で、裁判を受けることができます。

3、夫が痴漢で逮捕された場合は、早期に弁護士に連絡を

ご紹介してきたように、逮捕から勾留までは最長23日間身柄を拘束される可能性があり、さらに起訴されてしまった場合は、裁判が終わるまで拘束期間が合計で2ヶ月以上になることも考えられます。ここまで長くなると、仕事や日常生活へも大きく影響してきます。
夫が痴漢で逮捕されたら、まずは速やかに弁護士に相談することが大切です。

弁護士が夫と接見すると、痴漢事件の経緯などの事実関係の確認をしたり、捜査や取り調べを受ける際の助言をします。やってもないのに認めてしまうということが間違っても起きないよう、逮捕後一刻も早く弁護士からのアドバイスを受けるべきですし、もし事実に間違いがないということでもいち早く示談活動を開始することができます。また、長期間の身柄拘束である勾留を阻止するため、検察官や裁判官との面接などの弁護活動をすることもできます。

4、まとめ

今回は、夫が痴漢で逮捕された場合の逮捕後の流れをご紹介しました。夫が痴漢で逮捕されたとしたら、ショックのあまり精神的にとても追いつめられることと思います。冷静に対処せよというほうが難しいでしょう。しかし、弁護活動も早期の方がよりできることが多いですので、早期に弁護士に相談することが大切です。
平穏な日常生活を取り戻すためにも、ぜひ早い段階でベリーベスト法律事務所 金沢オフィスまでご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています