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リボ払いを債務整理する具体的方法とメリット・デメリットとは?

2020年09月09日
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リボ払いを債務整理する具体的方法とメリット・デメリットとは?

ショッピングやキャッシングでいちどに支払いを返済するのが難しい場合、月々の支払いを一定にでき、家計のやりくりに役立つリボ払いは非常に便利です。しかし、その支払いの詳細を理解しないでいると、あとになって月々の返済が重くのしかかり、家計が立ち行かなくなるケースもあります。平成29年の個人の自己破産申立件数は6万8791件と増加傾向にあります。その原因のひとつに、気軽に申し込めて使える銀行系カードローンの影響などが挙げられています。石川県においても、生活環境部生活安全課が無料の多重債務相談窓口を設けたり、金沢弁護士会が無料クレサラ法律相談を主催するなどしてこれらの悩み相談に対応しています。
今回は、リボ払いの概要と債務整理の可否や、リボ払いを債務整理にあたり知っておきたいメリットとデメリットについて金沢オフィスの弁護士が詳しく解説します。

1、リボ払いの概要

クレジットカードの支払い方式のひとつである「リボ払い」は、リボルビング払いの略称で、「分割払い」とは異なります。利用時に支払い回数を選べるのが分割払いですが、リボ払いの支払い回数は利用残高によって異なり、「支払い残高」に応じて毎月の支払い額(元本返済と手数料額の合計)があらかじめ決められています。

  1. (1)リボ払いの支払い方式

    リボ払いにはいろいろな支払い方法があるので、申し込みの段階から支払要件などについて正しく理解しておく必要があります。毎月の返済はあらかじめ設定した金額とリボ手数料の合計額を定額方式、定率方式、残高スライド方式のいずれかによって支払います。「定額方式」は毎月一定額を支払うため、家計のやりくりなどがしやすいというメリットがあります。「定率方式」は使用残高に対して一定の割合を返済していく方式で、徐々に返済の負担が軽くなっていきます。「残高スライド方式」は支払い残高の大きさに応じて、毎月の支払い額が段階的に増減する定額式と定率式の中間的な支払い方法です。

  2. (2)ショッピング枠とキャッシング枠とは?

    買い物などで使用したクレジットカード利用額を指すのが「ショッピング枠」で、クレジットカードに付随したサービスを利用してお金を借りるのが「キャッシング枠」です。勘違いする人も多いですが、キャッシング枠はショッピング枠から独立しているわけではなく、ショッピング枠内に組み込まれています。

    一般的にクレジットカードのショッピング枠には利用限度額が定められており、たとえばリボ払いで支払いを留保してもらっている場合などは、その金額分だけ利用限度額が減少します。つまり、クレジットカードでいくらキャッシングができるかは、ショッピング枠の残高によって決まるともいえるのです。

    ショッピング枠の支払いは、買い物代金を決められた分割払いでカード会社が立て替える形式のため手数料はそれほど高くはありませんが、キャッシング枠の支払いは利用者が現金を無担保で直接借りる形式であるため、利率が高く設定されているのが一般的です。また、利息はショッピング枠が締め日の翌日から、キャッシング枠が利用日の翌日から発生するという違いがあります。

2、リボ払いの債務整理はできるのか?

リボ払いは、月々の返済額を少額に抑えられることから利用者が多いですが、返済期間が長くなり、なかなか元金が減らないという落とし穴があります。終わらない返済に加えて、一般的には実質年率15%(カードの種類により、設定されている年利は異なります)という高利と、他のカード会社からの借入れと併せて多重債務などに陥り、借金のある生活から解放されるため債務整理を考える人も少なくありません。

結論からいうと、クレジットカードのリボ払いの債務整理は可能です。お金を借りたクレジット枠だけでなく、買い物に利用したショッピング枠においても手続きができます。
まず、リボ払いを債務整理する手続きには「任意整理・特定調停・個人再生・自己破産」があります。

「特定調停」は簡易裁判所の調停手続きで、債権者と借金の返済方法を話しあいで決めることができます。ただし、裁判所への出頭は平日のみであること、特定調停が債権者(貸金業者等)との合意で成立するものであり、相手が応じなければ不成立となり、個人再生か自己破産へ移行するというデメリットがあります。

「個人再生」は裁判所に申し立てをして減額された債務を数年に渡って返済していく方法です。住所氏名が国の発行する「官報」に掲載され、最長で10年間借り入れができなくなります。

「自己破産」は保有する財産をすべて清算する手続きで、個人再生と同様の不利益を被ることになります。

そして、「任意整理」は裁判所が介入せず、債務者(借主)が債権者(貸主)と話し合って、将来的に発生する利息をなくし長期分割で返済する債務整理の方法です。

ただし、任意整理で債務整理をするには元本の返済能力があるという条件を満たす必要があります。それが難しい場合は、自己破産もしくは個人再生を選択することになります。

3、リボ払いを債務整理するメリット・デメリット

前項でリボ払いの債務整理について説明しましたが、さらに債務整理を実行した場合のメリットとデメリットを見ていきます。

  1. (1)リボ払いを債務整理するメリット

    債務整理のメリットは支払いの免除か、将来的に利息を支払う必要がなくなる点です。どちらにせよ完済のめどが立ち、これまでの返済の負担が大幅に軽減されます。さらに、任意整理を選択した場合は、自分の資産を清算する必要がないので、家や車といった財産を守ることができます。ちなみに、自己破産では一定の職業への就業ができなくなりますが、任意整理ではそれがありません。

  2. (2)リボ払いを債務整理するデメリット

    まず5年程度信用情報機関に記録が残り、クレジットカードが利用できなくなります。審査に通らないことから、新規のクレジットカードの作成はもちろん、以前から所有していたカードの利用もできません。
    既存のカードに関しては更新の際に、利用状況に問題がないかカード会社が確認する「途上与信」が行われ、いわゆるブラックリストへの登録を知られてしまうことから更新ができなくなります。カードがどうしても必要な場合は、審査がないデビットカードを持つしかありません。
    また、審査が通らないことからローンを組むこともできません。ちなみに携帯電話の購入は可能ですが、本体料金を分割購入で契約することはできないので、一括で支払う必要があります。

4、債務整理を弁護士に相談するメリットは?

債務整理は債務者自身で手続きすることも可能ですが、申し立てや書類の作成を行うのは非常に大変です。
また、カード会社などと交渉する際も、個人では相手にしてもらえない場合もあります。他にも、債務整理の方法を知らないことで不利益を被ることも考えられます。
こうした諸問題を解決するためにも弁護士への相談をおすすめします。弁護士に相談すると、債務状況や債務者の資力などを踏まえた債務整理手続きについて、適切なアドバイスをしてもらうことができます。
また、債務整理を依頼すれば、必要書類の作成から手続きまで任せることができ、カード会社との交渉も代わりに行ってくれます。
もちろんクレジットカードのリボ払いの債務整理だけでなく、消費者金融などからの借金がある場合などは、併せてそれらの交渉をしてもらうことが可能です。相談者の個人情報などは、当然のことながら守秘義務として漏らさないので、職場や家族などに知られる心配もありません。

5、まとめ

クレジットカードの返済をリボ払いにしていると、気づかぬうちに利息が膨れ上がり、自己破産寸前に陥っているケースは少なくありません。
消費者金融から借りたカードローンと同様に、ショッピングで利用したクレジットカードの利用額についても債務整理を行うことが可能です。元金がなかなか減らない、もしかすると支払えないかもと思った段階で、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
リボ払いを債務整理したいとお考えの方は、ベリーベスト法律事務所金沢オフィスにご相談ください。依頼内容について守秘の上、早期解決を目指します。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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