【後編】会社が残業代を払わない!? 会社が残業代逃れに使う可能性がある4つの手口

2019年03月12日
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【後編】会社が残業代を払わない!? 会社が残業代逃れに使う可能性がある4つの手口

前編では、会社が残業代逃れでよく使う手口や、会社が残業代を払わないことで受ける可能性のある罰則について解説いたしました。
後編では、会社に対して残業代を請求する方法を中心に、弁護士に依頼するメリットもあわせて解説いたします。

3、残業代を支払わない会社に対して請求する方法

会社に対して未払い残業代の支払いがあると判明したら、できるだけ早いタイミングで請求を考えたほうがよいでしょう。残業代請求には時効があるためです。

残業代を支払わない会社に対して、残業代を請求して支払ってもらうための手順を解説します。

  1. (1)証拠を集める

    会社に対して未払い残業代の支払いを請求するためには、時間外労働を行ったことを、あなた自身が立証しなければなりません。

    立証する材料として、会社との労働契約書、会社の就業規則、パソコンのログイン記録、タイムカード、会社のパソコンから送信したEメールなど可能な限りの物証を集めてください。なお、労働者自らがつけた、日々の勤務時間に関するメモなども物証と認められた事例があります。

  2. (2)未払い残業代を計算する

    上記(1)で集めた物証をもとに、あなたに支払われるべき適正な残業代を「残業代チェッカー」で計算してみましょう。

  3. (3)時効を中断する

    労働基準法第114条によりますと、未払い残業代の請求は「違反のあつた時から二年以内にしなければならない」と定められています。つまり、会社に対して未払い残業代の支払いを請求する権利は、2年で時効となり消滅してしまうのです。

    会社との交渉は長期化することが考えられます。その間に未払い残業代の請求権が消滅時効となってしまうこともあり得ますので、まずは時効を中断させなくてはなりません。時効を中断するためには、まず使用者に対して未払い残業代の支払いを求める「催告」を配達記録付内容証明郵便で送付します。そして会社に内容証明郵便が送達されてから6ヶ月以内に訴訟を提起すれば、時効は中断します。

  4. (4)使用者から支払いを受ける

    会社との話し合い、あるいは裁判における和解や判決などで未払い残業代の支払いについて合意に至った場合は、合意書を締結してから支払いを受けることが一般的のようです。

4、弁護士に相談するメリット

もし会社と残業代の支払いを請求する場合は、まず弁護士に相談してみることをおすすめします。

未払い残業代の支払いについて会社との交渉や裁判による解決に実績豊富な弁護士であれば、各種のアドバイスはもちろんのこと、あなたの代理人として会社と交渉などを行い、あなたにとってよりベストな解決を目指すことができます。なお、労働問題は社会保険労務士も詳しいのですが、あなたの代理人として会社と交渉できる職権を持つのは弁護士だけです。訴訟となってしまった際のことを考えると、最初から弁護士に相談しておいたほうがよいかもしれません。

5、まとめ

残念ながら、雇用主が労働者に対して「残業代を払わない」ために、さまざまな手口が確認されているという現状があります。その中には違法の可能性が考えられるものも含まれています。

まずは、あなたに残業代が不当に払われていないか確認してみてください。もし本コンテンツに記載されていることに当てはまっていると思われた際は、弁護士に相談して、会社に未払い残業代の請求を検討してみることをおすすめします。ベリーベスト法律事務所 金沢オフィスでもアドバイスをしております。まずはご相談ください。>前編はこちら

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